千の旋律、千の悲哀、千の記憶Dear Loneliness Leave Me Alone

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hueコンピ第2弾に対する告知日記 19:02


これは先月初旬に行われた対談である。




暢平(以下暢):さて、タイトルを考えるか。


一本道ノボル(以下ノ):他に日記のネタはあるだろうに、これまた
            唐突ですね。


暢:命名という行為にはそれなりの拘りがあって、ね。


ノ:「Lirico」は見事に丸投げされましたもんね。「よろしく」って。


暢:あれはブレストもくそもあったもんじゃなかったけど。まったくの
  ノーマークだった「Lirico」に決まったときは逆に驚いたものな。


ノ:あれこれこねくり回したり意味付けしたりしないのが一番って、
  そういう教訓なのですよ。


暢:その割に、後付けでこれでもかというほど意味を与えたけどね。
  「スペイン/ポルトガル語なのは、なるべく米国以外の国から
  逸材を紹介していくという決意の表れだ」とか。何てこたない、
  単にポルトガル語の辞書をパラパラめくってたら目に留まった
  だけの話なんだけどさ。


ノ:何事もスタートしてから勝手に形成されていくもんですよ。
  イメージというのは翼が生えてて、それでもって生みの親の
  本意などどこ吹く風とばかりに飛んでいくのですから。


暢:いつか、あの白鳥のロゴが水面から飛び立つ風に変わって
  いたら面白いな。「リリちゃん、羽広げてますよ」みたいな。


ノ:あ、上手くまとめようとしてますね。ほんとのところは、
  「ユリオ」から来てるという、公私混同甚だしい真実を
  ものの見事に隠そうとしてるじゃないですか。


暢:不都合な真実、だな、それは。ポルトガル語で百合の花は
  「Lirio」。俺にとって全ての表現は一本の芯で貫かれていると。
  でも、それだとあまりにそのまんまなので、辞書でその項目の
  ひとつ上にあった「Lirico」にしとこうというそんな軽いノリ。


ノ:今更そんなこと言っても、誰も知らないでしょう。一部の人が
  ニマニマしてるだけですよ。「おう、懐かしい名前だ」みたいに。


暢:「奇妙な盲目の小さな乳房」以前の頃から読んでくださっている
  人にとっては4年以上ぶりの邂逅くらいか?  


ノ:旧交温めるのはさておいて本題に入ってくださいよ。


暢:そうだったそうだった。
  2006年4月に発売されたコンピの第一弾のタイトルは、
  「hue and laugh and cry」というもの。これはsinいわく、
  "抗議としての公然の叫び声、大騒ぎ"を意味する
  「hue and cry」をベースにもじったものなんだって。


ノ:前者ではなく、後者の意味なんでしょうね。せっかくのタイトル
  に抗議はまずいですもんね。


暢:だから間に"laugh"を入れたわけだ。


ノ:「涙そうそう」ですか?


暢:なんでそうなったのか忘れちゃったけど。感情の振れ幅の
  バランスをとっただけなのかなー。


ノ:そして、今回のコンピ第二弾というわけですね。発売日から
  逆算すれば、すぐにでも決めないとデッドラインですよね。


暢:そう。sinはタイトルの中に「hue」という単語を入れることが
   前提条件としているのね。なかなか馴染みのあるワード
   ではないから、これがまた難しいわけで。


ノ:確かに「色相」という意味ですからね、どうしても学術方面
  というか、テクニカルに振れるきらいがありますよね。


暢:「hue」という単語が絡むフレーズを調べてみると、カラーモデル
   の指標となる「Hue-Lightness-Saturation」、すなわち
  「HLS方式」と略されるものが代表的なんだよね。あるいは、
   「HVS方式」か。それをもじってみるのもアリなのかなあと
   思ったりしたんだけれど。


ノ:やっぱりキャッチーさには欠けますよね。このコンピを聴く
  のはわれわれ日本人だけではなく、全世界の人なわけですしね。


暢:それを意識すると何も考えられなくなっちゃうなあ。弱ったなあ。


ノ:世界的に通用するhueですか・・・。


暢:これは!? 「Hue Grand」っての!


ノ:それ、駄洒落じゃないですか。ヒュー・グラントの。


暢:"これからでっかくなりますよHueは"という決意表明で。


ノ:売春婦とチョメチョメした疑惑で捕まりますよ。
  それだったら、「Hue Japman」でもアリじゃないですか。


暢:"Hueは日本人がやってるレーベルですよ"ってね。
   ヒュー・ジャックマンか! 


ノ:「Angelic Hue's Songs」とか。ヒップホップなのに天使の歌。


暢:アンジェリカ・ヒューストン!(笑


ノ:テンポよくポンポン出てくるんですけれど、あいにく人名
  しか思い浮かばないんですけどねえ・・・。


暢:むー。自称ネーミング屋のスキルをもってしてもこれまでか。
  

ノ:世界世界と拘りすぎましたかねえ。キャッチーさに立ち戻りますか。


暢:・・・・。


ノ:・・・・。


暢:・・・・。


ノ:困りましたねえ。さっぱり出てこないですね。


暢:いや、実は一つだけあるんだ、案は。キャッチーさだけでできた
  ようなとびっきりのフレーズが。そして、誰が読んでもそれは
  ヒップホップのアルバムであることが丸わかりの。


ノ:なんですか!?


暢:それだけじゃなく、ノスタルジックさもあるという。


ノ:そんな黄金フレーズがあるなら最初から出してくださいよ。


暢:それは・・・・



  「Hue HueだYO!!」


  なんだけど・・・・。



ノ:「二十歳の約束」の牧瀬里穂の台詞じゃないですか!!


  「純平くん、熱い熱い!ヒューヒューだよ!」


  という元ネタを誰が記憶してるんですか! 15年前の月9ですよ。



暢:ばか! 胸が熱くなってる人はたくさんいるはず。佐野元春の
  「約束の橋」が脳内で流れている人ばかりだって。君は行く〜♪と。
  15年の歳月が経過した今となっては、
  「暢平くん、Hue HueだYO!」として鮮やかに甦るんだよ。


ノ:95年にソニーからリリースされた「今夜は"ラップ"ダヨネ」という
  コンピレベルの伝説になりますね。これが採用されたら。


暢:もちろん、アレへのオマージュさ。「今夜はブギーバック」と、
  「DA.YO.NE」を日本の柱に、電気グルーヴ(含む"人生")、
  脱線3、ECD、高木完、濱田マリとAudio Sports(!)などなど
  というメンツ。


ノ:どうあれ、凄まじいオチになってしまいましたねえ。80年代
  生まれの人は完全に置いてけぼりじゃないですか・・・。


暢:コンピ第二弾「Hue Hue だ YO!」は12月初旬発売です!!
  皆様、よろしくお願いします!! 



さて、ネタはさておき、第二弾に関する正式なアナウンスがsinからありました。

http://www.inpartmaint.com/hue/hue_title/HUIP-1038.html


Hueブログを参照いただき既にご存じの方もいらっしゃると思いますが、タイトルは「Once a Hue, Always a Hue」で、12月7日リリースとなります。タイトルは、「三つ子の魂百まで」の意味を持つフレーズを元ネタとし、hueという存在の軸にブレが生じることがないことを高らかに宣言しています。"美しいものを感じ続けていくためには「自分道」を探して進んでいくしかないんだよ。"そのようなことを諭すように教えてくれたのは、美術家の森村泰昌さんでした。hueは「マージナル」(境界点)という言葉をセントラルドグマに据えることで「自分道」を見つけ出しました。


「行逢裁面」(ゆきあいさいめ)という言葉があります。行逢とは行き逢うことで、裁面とは境い目が転じた言葉だそうです。民俗学によると昔話のモチーフや形式の一種だそうですが、僕はそこに現状の音楽聴取の在り方とhueの存在理由を見い出してしまいます。一つのジャンルが成熟し飽和状態となれば、新しい血がとりこまれていくのは常套となりました。幾つもの音楽が行き逢うところ、裁面が生じ、そのとき音楽はキメラを作り上げます。それらは歪な形をしているでしょうが、だからこそ美しさがあるんだと僕たちは断言します。それが嘘だと思うのならば、コンピの中のNomadの楽曲を聴いてみてください! これを形容する言葉は、僕には「美しい」しかないと思います。


コンピはRadical Faceで始まり、Deadpan Darlingで終わります。始まりと終わりに相応しい楽曲が、然るべき場所にあることで、このコンピの統一感は生まれました。ナードヒップホップという、ヒップホップのマトリクスの中で存在する音楽が、ヒップホップでは重要なリリックイズムではなく、歌心であるリリシズムと融合すればどうなるのか。ずっと心の中で練っていたこの試みを今回は実践しました。単なるショーケースから一歩進んだ、日本人の感性でしか編集不可能なコンピレーションです。この感性は僕やsinでなくても表現ができるのかもしれませんが、それは「情緒」という感覚が日常にべっとりと浸み込んでいる日本人にしかできません。断言します。今まで以上に、聴いていて何のジャンルを聴取しているのかがわからなくなると思います。テクスチャーがエレクトロニカな楽曲もあれば、割とまともにヒップホップしているのもあり、どう考えてもSSWのウタモノもあります。何といっても冒頭の楽曲からして、6分30秒もあるヒップホップとは無縁な壮大なナンバーとなっているのですから。


結局のところ、hueにしろLiricoにしろ僕たちは美しい音楽しか興味がないんです。美のバリエーションを求めているだけなのです。「美しさ」、そしてその裏側に必ずある、「悲しさ」。自分の人生に残された時間なんて、そんなに多くはありません。音楽に費やせる時間などさらに限られています。だからこそ、聴いたこともない美しさをもった音楽(それはすなわち想像を絶する悲しみを有した表現)と出会いたい。そんな我儘な思いだけで僕たちは(少なくとも僕は)音楽と向き合っています。すべての悲しみに終わりがないように、美しさもまた無尽蔵です。年が明ければLiricoの第3弾リリースも動き出します。同じように僕は日記で書くでしょう。何と悲しい音楽だろう、でもだからこそ美しい!って。

| - | comments(4) | - | posted by 一本道ノボル
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Comment








言の葉を大切にする人たちが作ったコンピ、かなり期待しています。
posted by yas | 2007/11/19 6:38 PM |
yasさん、まずはおかえりなさい!と言わせてください。東京の寒さは、やはり相当に厳しいものなのでしょうか・・・・。

個人的には、yasさんにはhueコンピはもちろんのことこの商品をレーベルサイトで予約された方のみの特典(もちろんお送りさせていただきます!)であるLiricoコンピを楽しんでもらえるだろうなあと思っています。地味コンピマニアが、「地味であること」をそのアイデンティティとして制作した結果完成した、とてつもなく地味なウタモノコンピです(笑。冬の夜長に、睡眠のお供にという感じの。乞うご期待となっておりますよー。
posted by 一本道ノボル | 2007/11/30 3:44 AM |
〉ヒップホップでは重要なリリックイズムではなく、歌心であるリリシズムと融合すればどうなるのか

なんだかハッとさせられました。hueコンピ、いろいろ期待しております。
posted by 微熱 | 2007/12/01 9:59 AM |
>微熱さん

本日無事コンピが発売になりました。ここ数年のアンダーグラウンドヒップホップの元気のなさ、どんどん小さくなっていくシーンは、僕らがはたから見ていても痛感するところで、本当に新戦力をスカウトしてくることが今回の最初の壁だったですね。その点、sinはそこをしっかりとクリアしたとおもいます。僕はLiricoの方にかかりっきりで、殆どヒップホップにかんしてはノータッチでしたから。とりたてて目ぼしいニューカマーやリリースがなかった中で、このクオリティは充分健闘に値すると僕はおもいます。

さて、肝心のコンセプト・メイキングは、やはり「思い込みを捨て、思いつきを拾う」というプリンシプルに従い、夜中のだべり会話の中から生まれました。「リリックではなくリリシズム」というものは、結局のところ僕らがヒップホップという音楽に対して抱えているコンプレックスに端を発しているんでしょうね。

hueの方向性が、"マージナル"となったそもそものきっかけは、「リズムに重点を置かないでヒップホップを再構築することは可能か」という問いかけでしたから。それもこれも、ビートやリズムに対して無自覚/無知だった僕らの劣等感から出発しているわけですから。長所を伸ばそうとする兄弟なわけですね(笑。

こういうアイディアに関してはまだまだ尽きることなくストック持ち合わせていますので、今後にどういう風に生かせるか検討しているところですねえ。
posted by 一本道ノボル | 2007/12/08 3:36 AM |
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