千の旋律、千の悲哀、千の記憶Dear Loneliness Leave Me Alone

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悲しみの四部作(Sorrow Tetrabiblos)、その三 10:31
タマスツアーの終了に一息ついたのも束の間、僕にはライナーの締め切りが迫りつつあることを思い出したのでした。あの感動の余韻に浸りたかったのに、無情にも時は止まってはくれないのですね。

ツアーにお越しいただいた方は、会場で配布されたフライヤー類の中にLiricoのネクストリリースに関するものを見つけられたかと思います。本当はライブ開演前のSEに鳴らそうと思っていたのですが、「出し惜しみしなくては」というsinの一声によって実現叶わず。

ニューヨーク在住のオーストラリア人SSWのScott Matthew。光栄なことにLiricoは彼のデビューアルバムの日本盤を9月にリリースすることになりました。



http://www.myspace.com/scottmatthewmusic

個人的にも2008年上半期ベストの作品(身内関連除く)の国内リリースに携わることができて嬉しい半面、「(こんなビッグネームなのに)いいのかな?」と戸惑ってしまう気分が無きにしもあらずです。なぜに他のレーベルはこのような名盤を華麗にスルーしているのか。本当に理解に苦しみますね。ウタモノは売れない時勢ですが、だからといって黙殺はないでしょうに。

現在は、どんな風にライナーを構成しようか練りこんでいる段階です。さすがにビッグネームだけあって、好き放題書くわけにはいかないでしょうし(普通に輸入盤が買える=ビッグネームという僕の認識です、悪しからず)。ましてや今作はある特定のフィールドの方を意識せざるをえないわけです。すなわちゲイの世界の人々を。そんなことを、sinはスコットのマネージャーから注進されたそうですが、それで売り上げが増してくれるなら願ったりですね。どんなジャンルでもそうですがゲイマネーを侮るなかれ、ですね。Liricoのリリースも"ダイバーシティ&インクルージョン"を徹底するという世間の潮流に乗っかったということで。

Scott Matthewの歌声は、僕にとっては全ての痛みや悲しみを引き受けてくれる身代わり王でもある。と、ここで以前にmixiに書いた日記を引用しようと思っていたのだけれど、ライナーにそれらの言葉を転載するかもしれないのでやめておきます。


そして今作は、Liricoの「悲しみの四部作」その第三弾となります。

友人たちとの馴れ合いや群れからのドロップアウトを声高に主張し、誰しもが簡単に到達できるステージではない「孤独」へと至るための自己研鑚の結晶を作り上げたEgil Olsenの「I am A Singer/Songwriter」。

自分たちが生きている日常の幕を引っぺがせば、その下には数多くの死体がうず高く積まれ、簡単に消えていく命の火があることを想像力で気づかせようと試みたTamas Wellsの「Two Years In April」(関係ないですが、あのライブを見て、一曲に込められたストーリーとメッセージを知ったうえでアルバムを聴けば、この一枚が空恐ろしいまでの傑作であることを痛感しますね)。

そして、自分自身の存在の危うさや抱えた病理と暗闇の部分を見つめ、大切な人であっても分かり合えないことを認識し、全ての終わりは悲しみに辿り着き一人ぼっちになることを確認すること。その上で自分の中の悪魔こそが最良の友人であることを受け入れるべきと諭したScott Matthewの「Scott Matthew」。


さまざまな種類の悲しみから生まれた作品をリリースすることになりました。そして、おそらく年末にはそれらの集大成となる作品が控えていますが、これについては時機が到来すれば書くことにします。Liricoはこの世界の全ての悲しみの音色をつまびらかにするまで止まることはできないのです(無理やり止められる可能性は高いですが)。フラジャイル、マイノリティ、サッドネス、トワイライト、よくもまあこんな一般受けしないキーワードだけでレーベルをやっているなあと思いますが、それはいずれ他に類を見ない形となってくれるんじゃないかなと。


ご存じでしたか? はるか昔の日本人は、「愛しい」と書いて「かなしい」と読んでいたことを。僕たち日本人は「かなしみ」を追い求め、真摯に対峙し、それぞれの感情の綾の中から様々なことを見出してきたのです。それがDNAに刻み込まれているのです。悲しみ(哀しみ/愛しみ)を否定してはいけないのです。
| disc review | comments(0) | - | posted by 一本道ノボル
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